ポジティブフィードバックでチームを強くする

本記事は、Uzabase Advent Calendar 20257日目の記事です。

他にも面白い記事がたくさんあるので、ぜひ読んでください!

年末ということで明るい話がいいなと思い、「みんなのフィードバック大全」 1 という書籍を読んだので、特にポジティブフィードバック(以下PFB)について、その内容と読んだ感想をまとめていきます。

ポジティブフィードバックの目的

まず、ポジティブフィードバックを実践する目的は大きく分けて二つあります。

  • 相手のため

    PFBの最大の目的は、相手の成長です。

    • 好ましい行動の強化:

      いつも明るい人に「今日も明るくて元気いっぱいでいいね」と伝えることで、その行動を定着させます。

    • 好ましい行動への転換:

      普段元気ではない人でも、たまたま元気な日があればそれを褒めることで、「元気でいることは良いことなんだ」と認識してもらう機会になります。

    • 承認欲求の充足:

      フィードバックを受ける側の承認欲求を満たすことも重要な目的です。

  • お互いのため

    PFBは、フィードバックする側とされる側、双方にメリットがあります。

    • 相互の関係強化と心理的安全性向上:

      ポジティブなコミュニケーションを重ねることで、相手に対する「この人はいつもネガティブなことを言ってくる怖い人だ」という印象が薄れ、相互の関係が強化され、心理的安全性が高まります。

    • フィードバックの濃度向上:

      普段からPFBを伝えていると、たまにギャップフィードバック(改善点や課題)を伝える際にも、相手に受け入れられやすく、伝えやすくなる効果があります。

実践のためのフレームワーク(5W1H)

ポジティブフィードバックを効果的に行うために、本で紹介されていたフレームワークを私なりに整理してみました。

Why: マインド(何を意識するか)

相手を喜ばせたいという気持ちよりも、純粋に相手の成長を祈る気持ちが大切です。相手を喜ばせようとしすぎると、お世辞っぽく伝わってしまう可能性があります。

そのためにも、相手自身に関心や興味を持つことが大前提です。また、慣れるまでは気恥ずかしさがあるかもしれませんが、それを捨てることが大切です。

When: いつフィードバックをするか

リアルタイムに、こまめにするのが重要です。

アジャイルやXP(エクストリームプログラミング)の文脈で「フィードバックのサイクルを早く回しましょう」という話があるのと同じで、評価のタイミングを待たずに、気づいたらすぐに伝えるのが大切です。

Who: 誰にフィードバックをするか

上司、部下、同僚に関わらず、誰に対しても行うべきです。

この点は、私が読んでいて特に気づきが大きかった観点です。自分よりも経験が長い人、タイトルが高い人、年上の人などにPFBを伝えるのは難しいと感じていたのですが、経験豊富な人でも、自分が正しい行動ができているか常に不安を抱えているものだそうです。彼らの不安を払拭するためにも、正しい行動に対してPFBをすることが有効だということを知りました。

また、他の人と比べていいところをPFBするのではなく、本人の過去と比べて成長した部分をPFBすることが大切です。

Where: フィードバックをする場所

メールや文章などの残る形でPFBをすると、PFBを受けた本人もPFBを読み返すことができます。そのため、相手のモチベーションにも繋がります。

What: 何をフィードバックするか(具体性)

表面的な褒め方にならないよう、なぜその行動が良かったのかという理由を具体的に伝える必要があります。

  • 「なぜなぜ分析」をしてみる:

    褒めたい行動に対して、なぜそれが良かったのかを掘り下げて言語化してみるのが大事です。

  • プロセスにも注目する:

    結果だけではなく、そこに至るプロセス(過程)をフィードバックすることも心がけましょう。

個人的な考えですが、この「なぜなぜ分析」を通して褒める行動を言語化できるようになれば、自分自身がその行動を再現する際の解像度も高まると感じました。

How: どのようにフィードバックするか

  1. 当たり前だと思わない

    「これはできて当然だろう」と感じるようなことでも、よかったこととしてフィードバックを伝えることが大事です。私自身、ユーザーベースに来たばかりの頃、「できて当たり前」だと思っていたことに対してフィードバックをもらい、それが人の役に立てたんだと嬉しくなった経験があります。

  2. 次のゴールを与える

    褒めた上で、さらに次の目標を与えるという方法も有効です。 (例:「会議で時間意識させる発言がいいですね。さらに次はあまり話してない人にも発言を促してみるといいかも」)。

    ただし、注意点があります。「〜がいいですね。でも次は…」のように逆説で繋げてしまうと、せっかくのポジティブフィードバックの印象が薄れてしまうため、逆説的な表現は避けるべきです。

  3. 期待を伝える

    人は他者から期待されるほど、成長が加速するらしいです。相手になってほしい姿をイメージし、期待を込めて伝えることが大切です。

私がぶつかった壁と見つけたヒント

本を読んで実践していく上で、私自身が一番難しさを感じたのは、タイトルが自分より高い人や経験豊富な人へのフィードバックでした。

例えば、チームで議論がそれそうになったときに、誰かが絶妙なタイミングで軌道修正をする。それを見たとき、「かっこいいな」とは思うのですが、なぜそれが良かったのかをすぐに具体的に言語化できませんでした。

そんな時、私はこう考えるに至りました。

ただ単に「〇〇さんの今の発言、すごくかっこよかったです!」と伝えた上で、さらに踏み込んで

  • 「あの時、何を意識してそう発言されたんですか?」
  • 「どうなったら私にもそうやれるようになりますか?」
  • 「なぜそうしたんですか?」

と、質問として投げかけてみるのはどうでしょうか。

これは、単なる賞賛で終わらず、相手の行動への興味関心を示すと同時に、自分自身の学びにもつながります。経験豊富な方々がどのような意図やマインドで行動しているのかを知るきっかけになるのです。フィードバックは、相手の成長だけでなく、自分の成長のヒントを得るための手段にもなる。これが、今回私がこのテーマを深掘りして得た一番の気づきでした。

ポジティブフィードバックは、心理的安全性を高め、チーム全体のパフォーマンスを向上させるための重要なツールです。日々の業務の中で、小さなことでもリアルタイムに伝え合うことを意識していきたいですね。

最後に

ポジティブフィードバックを実践することは、例えるなら、 日々のメンテナンスを怠らない「コードレビュー」 のようなものです。小さな改善点や良かった点をこまめに共有し合うことで、バグ(不信感や不安)を未然に防ぎ、コードベース(チームの関係性)を常に健全で強固な状態に保つことができるのです。

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