株式会社ユーザベースのSPEEDA Japan Company、Site Reliability Engineering (SRE) Teamの川口です。 先日、「SRE Lounge #3」という勉強会を開催しました。 発表企業4社のみ参加の非公開な会でしたが、ここでしか聞けないようなディープな話題が満載でした。
目的
「SRE Lounge」は、
- 各社SREチームの取り組み事例の共有(情報交換・発信)
- SREそのものについて議論し、知見を深める
といったことを目指して行われている勉強会です。
開催の背景や、そもそもSREとは何かについては、「SRE Lounge #1」の記事を参照してください。
開催日時
2018年5月17日(木) 午後7時30分 開始
会場
今回は、ミクシィ様本社のコラボレーションスペースをお借りしました。 広くておしゃれなカフェのような雰囲気で、窓からの眺めも良く、渋谷の夜景がきれいでした。 ランチや社内の打ち合わせだけでなく、今回のようなセミナーやイベントにも使用されているということです。
参加企業
※発表順
発表内容
当日のスケジュールは以下の通りです。
- 各社の取り組み事例等の発表と質疑応答(各社20分程度)
- 発表を踏まえた意見交換会(30分程度)
ピザやお酒を取りながら、終始和やかな雰囲気で行いました。
ユーザベース
企業・業界情報プラットフォーム「SPEEDA」のシステム構成の変遷を紹介しました。
サービスの成長に伴い、プロダクトチーム(dev)とSREチーム(ops)のやり取りでのオーバーヘッドが多くなったため、 開発チームだけでCI/CDまで完結出来る環境を構築しました。 具体的には、Kubernetes+Rancherの構成となっています。 クラスタレベルロギングアーキテクチャを採用し、各APから出力されたJSON形式のログを、fluentd経由でバックエンドのBigQueryに格納していることも特長です。
質疑応答では、アラート発生時の一次調査担当や、システム環境の統制などが多く挙がり、どの企業でも苦労されているようです。
当日発表資料:SRE Lounge#3 UZABASE
ワイヤ・アンド・ワイヤレス様
「Wi2」などのWi-Fiサービスを提供されるワイヤ・アンド・ワイヤレス様には、 サービス提供環境のオンプレミス環境からクラウド環境移行への歩みについて、詳しく紹介いただきました。
オートスケーリングやコスト削減を期待してクラウドを導入したものの、なかなか思惑通りにいかず苦労されたそう。 しかし、少しずつ安定し、知識も得られてきたということで、サーバレス化やAWSの新しいサービスの利用も進めているとのことです。
Wi-Fiサービスならではの苦労も少なくない中、今後もアグレッシブに挑戦していきたいそうです。
当日発表資料:Sre wi2 20180517
スマートニュース様
ニュースアプリを提供されるスマートニュース様には、SREチームで担当されている膨大な業務範囲から、「モニタリング」「障害振り返り」の2つを紹介いただきました。
モニタリングでは、各リソースに適した様々なシステムを駆使しての監視を行っているということで、各社で参考になる部分も多かったと思います。
障害振り返りでは、障害発生時のインシデントレポート作成や、事後のインシデントレビューを行っており、再発防止策のトラッキングも工夫されているようです。 また、インシデントレビューの読書会も検討されているそうで、この辺りはまた詳しく聞いてみたいです。
質疑応答では、ニュースアプリならではの話題として、プッシュ通知時のアクセス集中対策の話が盛り上がりました。
当日発表資料:SRE at SmartNews
ミクシィ様
最後に、ミクシィ様のXFLAGスタジオから、「モンスターストライク」(モンスト)用に構築されているマルチクラウド環境について紹介いただきました。
「モンスト」のようなソーシャルゲームでは、例えばイベント期間だけ爆発的にアクセスが増えるため、サーバを短期間だけ増強する必要があります。 元々はオンプレミス環境で運用していましたが、最適な構成を模索するうちに、複数のクラウド環境を併用するに至ったそうです。 そのためのネットワーク構成や管理面での工夫や、各クラウドごとの癖についての話もありました。
SNSからの大規模サービス構築・運用ノウハウのあるミクシィ様ならではの内容で、当社とはスケールの違う話にワクワクしました。
当日発表資料:モンストのマルチクラウドについて / sre-lounge-at-xflag
発表を終えて
各企業のサービス内容やSREチームの守備範囲、SREに対する考え方など、これまでのSRE Lounge以上にバラエティーに富んでいて、とても興味深かったです。 また、各社の発表内容がディープで、質疑応答や意見交換会も大変活発でした。 当初予定していた時間を大幅に超えてしまいましたが、皆様多くのものを得られたのではないかと思います。ありがとうございました。
「SRE Lounge」は、今後も開催していく予定です。 興味を持たれた方や、発表してみたいという企業の方は sre@uzabase.com までメールにてご連絡ください。 また、Facebookの「SRE community」でも情報共有、交流を行っています。非公開グループですが、お気軽にご参加いただければ幸いです。
仲間募集!!
ユーザベースのSPEEDA SREチームは、 「No Challenge, No SRE, No SPEEDA」 を掲げて業務に取り組んでいます。
「挑戦しなければ、SREではないし、SREがなければ、SPEEDAもない」という意識の元、ユーザベースのミッションである 「経済情報で、世界をかえる」 の実現に向けて、日々邁進しています。
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