この記事は NewsPicks Advent Calendar 2025 の13日目の記事です。
こんにちは。
ソーシャル経済メディア「NewsPicks」のMobileチームで開発をしている寺坂です。
様々なサービスがAI機能を搭載する中、今私が期待を寄せているのは、Notionです。
今年の9月、Notionは「エージェント」として再構築されました。
特にAIコネクターで外部サービスと繋がるようになったことで、単体では難しかった処理が実現できるようになりました。ここに大きな可能性を感じています。
本記事では、NotionのAI機能を使ってふりかえりの準備を改善し、「指示型」の使い方から「提案型」の使い方をしてみた活用事例を紹介します。
AIを「タスク処理係」で終わらせたくない
AIを使う時、多くの場合はチャットUIでAIに指示を出し、エージェントにタスクを処理させています。
この場合、人が考えて、計画を立て、タスクを細分化して、ある程度準備してAIに渡さなければ動いてくれません。
それでもかなり役に立つのは事実ですが、一方でエージェントが活躍する場所がタスク処理に限定されてしまい、開発プロセス全体の効率化という観点では限界があると感じはじめています。
ですので、AIの活躍の場を広げて能力をさらに活用していくために、以下の点が重要だと考えています。
- 手元以外の場所で動かすこと(自律実行)
- 十分なコンテキストを持たせること(情報収集・文脈理解)
- 適切なタイミングで提案が来ること(ワークフロー統合)
今回、これらを実現する環境としてNotionを活用してみました。
Notionエージェントにはまだスケジュール実行の機能は搭載されていませんが、ページのスケジュール作成機能と組み合わせることで、AI機能の自動実行が可能です。
設定手順は、とてもシンプルです。
- データベースに定期実行型テンプレートを追加する
- テンプレートにAIブロックを作成する
- AIブロックに、AIコネクターとプロンプトを設定する
この仕組みを使い、週次ふりかえりのKPT論点を自動作成する方法を紹介します。
ふりかえる前に、すでに論点が整理されている状態を作る
私たちのチームでは、ふりかえりを毎週行っています。
そこでまず行うことは、1週間の出来事を思い出し、事実を集めることです。集めた事実を影響度、重要度、Good/Moreなどの観点で判断し、議題としてあげるかどうかを考えます。
今回のAI活用で目指したのは、ページを開いた瞬間にこれらが終わっている状態です。
具体的には、以下の流れをイメージします。
- ふりかえりを行う日の早朝に新規ページを作成する
- ページ作成時にチームやプロダクトが関わる1週間の活動情報を収集する
- 事実ベースでタイムラインを作成する
- 影響度や重要度の大きい出来事を取り上げ、課題分析とTryの提案を記載する
次は、これを実現するための具体的な設定方法です。
1. データベースに新規の定期実行型テンプレートを追加する
データベースの新規ボタンからテンプレートを作成できます。
その時に、定期実行機能を設定できるので、ふりかえりの朝に実行されるようにします。

2. テンプレートにAIブロックを作る
作成したテンプレートの本文に、AIブロックを追加します。
プロンプトには、ふりかえりを支援する役割であること、どのようなフレームワークにするか、などを記載します。作って欲しいアウトプットの形式がもしあれば、それもここで指定します。
ここで「テンプレートが複製されたときに自動入力する」をONにすることで、ページ作成と同時にAIブロックを発火させることができます。

3. AIブロックに、AIコネクターとプロンプトを設定する
SlackやNotionタスクなど、必要なコネクターを設定します。
Slackではチャンネルを指定することができるので、チームやプロジェクトの関連チャンネルを紐づけます。これで、AIが「手元の情報」だけでなく「チームの会話や活動ログ」まで見に行けるようになります。

また、11月のアップデートでSlackのプライベートチャンネルも設定できるようになり、必要な情報にもれなくアクセスできるようになりました。
結果
ここまでの設定だけで、毎週自動でふりかえりの論点を生成してくれるようになります。簡単ですね。
最後に、生成結果を貼ります。
やってみた感想としては、情報収集だけでなく論点の提案もしてくれるので、ふりかえりの気づきが促される効果を感じています。
また、AI機能は収集した情報に対して、柔軟な解釈・処理ができる点が素晴らしく、プロンプトの改善によってさらなる活用が期待できそうです。

最後に
コーディングエージェントはじめ、AI機能を日々使っていると、「もっとできるはずなのに、活かしきれていない」と感じることがあります。
今回、これまでの「指示型」から、AIを「提案型」で使ってみることで、その可能性を少し広げられました。
AIに指示するのではなく、AIから指示される関係になれば、新しい着想に出会え、開発体験そのものが変わっていくかもしれません。
NotionのAI機能はあくまでも一例ですが、第一歩として非常に有効でした。設定も簡単で、すぐに試せます。
引き続き、色々な場面で試していこうと思います。