ユーザベースが手がけるさまざまなサービスの背後には、これらを支えるプロフェッショナルたちの存在があります。そんな彼、彼女たちはどのような思いでユーザベースに加わり、日々の業務にあたっているのでしょうか。このシリーズではユーザベースのコーポレートITと情報セキュリティ組織で働くエンジニアや、プロダクト開発に携わるエンジニアに焦点を当て、外からは窺い知れない仕事の舞台裏をご紹介します。今回登場するのは、リード獲得から受発注管理、請求書発行まで一連の業務を支えるセールス、マーケティングシステムの管理・運営と改善に携わる松本莉奈です。
IT Strategy Division
Sales System Team
松本 莉奈
2014年、早稲田大学卒業後、マーケティングプロダクト会社に入社。2015年、NewsPicks(現ユーザベース)にエンジニアとして入社。システム開発に携わる傍ら、広告入稿・配信管理の整備や広告配信システムの運用に従事。その後は、ビジネスサイドに異動し、広告事業のオペレーションチームやマーケティングチームの立ち上げに携わり、セールス、マーケティング関連システムの構築、運用、改修などに参加。現在はエキスパート事業とNewsPicks事業を支える業務システムのシステムアドミニストレーターを務めている。
# 私が貫く仕事の流儀
表層的な解決策で満足せず、本質的な課題解決を心がけています。そのために一番大切にしているのは、システムを利用する現場のみなさんと密にコミュニケーションを取ること。とくにはじめて仕事をご一緒する方とは、できるだけ1on1の機会を設けるようにしているのは、現場で苦労されている人たちがどのような背景や意図で業務を遂行しているかを知らなければ、本質的な解決策は提案できないからです。現場理解と最後までやりきる覚悟。その両方があってはじめて信頼が得られ、次の仕事につながるのだと思っています。
新卒入社した会社を辞め、
ユーザベースに再入社した理由
—— 松本さんにとってユーザベースが2社目と聞きました。ユーザベースに入るまでの経緯を教えていただけますか?
実は2012年から13年にかけて、NewsPicksで学生インターンをしていたんです。その当時、社員数は20名から30名程度で、そのころ私がイメージしていた会社とはまったく違って、代表との距離も近く、フレンドリーな社風がとても印象的でした。インターン期間は1年弱と短かったのですが、新卒で入社した会社の社風に馴染めず辞める決心をしたとき、次の職場として真っ先に思い浮かんだのがユーザベースだったのは、当時の記憶が鮮明だったからです。「もう一度働かせてほしい」と、かつての上司に連絡を取ったところ、快く受け止めてくださり再入社することになりました。
—— 入社後はどんなお仕事を?
2015年にエンジニアとして入社してしばらくは、アプリユーザーからの問い合わせ対応が中心でしたが、翌年から、自社の広告入稿・配信システムの整備と運用、Salesforceによる配信管理機能の実装に携わるようになりました。2017年にビジネスサイドに異動して、それ以降は、広告配信オペレーションチームやマーケティングチームの立ち上げ、NewsPicksで利用していたSalesforceに、制作管理や発注管理、帳票機能を実装したり、既存の受注管理機能を刷新するプロジェクトなどに関わったりしました。こうして振り返ると、セールスやマーケティングに関わる組織の立ち上げや、Salesforceを活用したシステムの運用や見直しに携わる機会が多かったですね。
—— 以前から、そういった仕事を希望されていたのでしょうか?
当時は、自分と価値観が合う人たちと一緒に働ける環境なら、仕事内容にはそれほどこだわりがなかったです。とはいえ、まさかSalesforceの改善や運用に携わるとは思いもしませんでした。ただ、自分の能力が必要とされ、かつ主体的に関われるなら、経験がなくても躊躇せずチャレンジしてきたつもりではあります。
複雑で非効率な業務プロセスをITの力でよりよく変えたい
—— 入社後、さまざまなお仕事に携わってこられたと思います。そのなかでもとくにご自身の成長につながった取り組みについて教えてください。どんなお仕事でしたか?
2018年に携わったインサイドセールスの導入を前提としたマーケティングチームの立ち上げですね。
—— どんなお仕事だったのでしょう?
経済情報サービスを手がけるSpeedaが、新たにマーケティングチームを立ち上げ、インサイドセールスの活用に乗り出したところ、売上が右肩上がりに伸びたという成功事例がありました。個人的にも非常に面白い取り組みだと感じたところ、Brand Designチームもあとに続くことになり、私もプロジェクトの一員として立ち上げに参加することになったんです。
—— なぜ、このプロジェクトを挙げてくださったのですか?
そもそもマーケティングはおろか、インサイドセールスについて何も知らないところからのスタートだったからです。これまでの仕事とは違い、知識のキャッチアップから積み上げていかねばなりません。Webや専門書で情報収集するのはもちろん、セミナーやコミュニティの勉強会に参加したり、外部のコンサルタントに教えてもらったりしながら、SalesforceやMarketoについての理解を深めていきました。こうした苦労の甲斐もあって、組織もシステムも無事に立ち上げることができたので、私にとって思い出深いプロジェクトなんです。
—— 何もない状態から、新たに立ち上げるのは苦労が多そうですね。
Speedaの前例はあるものの、SpeedaはSaaSビジネスで、NewsPicksのBrand Designは広告ビジネスです。ビジネスモデルが違うため、そのまま適用できる部分は限られます。データ環境も整っているとはいい難い状況でもあり、ずいぶん知恵を絞らなければなりませんでした。とはいえ、こうした大がかりな立ち上げプロジェクトは、望んだからといって、なかなかできるものではありません。楽な仕事ではありませんでしたが、それだけにプロジェクトを終えたときの喜びはひとしおでした。
—— この経験で松本さんは、どんな気づきを得ましたか?
私は、事業や業務を現場で回す人たちとコミュニケーションを重ねて問題を紐解き、ロジックに落とし込んだり、システムとして実装したりするプロセスが好きなんだと改めて思いましたね。複雑極まりない業務や、システムの利用者ですら気づいていない非効率な業務プロセスを、ITの力でよりよく変えることに燃えるタイプなんだと思います。ユーザベースが掲げる「The 7 Values」のなかだと「渦中の友を助ける」という言葉が一番好きなのですが、困っている人がいると手を差し伸べたくなるからなのかも知れませんね。
これからも、現場をハッピーにする原動力であり続けるために
—— 仕事のやりがいについて聞かせてください。どんなときにこの仕事をしていてよかったと思いますか?
現場の苦労をつぶさに理解して、課題の本質を捉え、解決できたときにやりがいを感じます。入社して10年以上経ち、ユーザベースの事業や日々の業務について知識がつきましたし、社内人脈も増え、誰が何を知っているか当たりをつけることも楽になりました。こうした経験の一つひとつが、課題解決に向けた動き出しの早さにつながり、現場が喜ぶシステムがつくれたときにやりがいを感じます。
—— 今後について聞かせてください。どんなことにチャレンジしたいですか?
そうですね。私はシステムの構築や改善を通じた課題解決が好きなのですが、最近は、現場の課題に寄り添って解決に当たれるなら、必ずしも手段はエンジニアリングでなくても構わないと思うようになりました。社内に4つある既存のSalesforce環境を整えるような活動もやりがいがありそうですし、制度や仕組みを整えることによって全体最適を図るような活動にも興味があります。私がやりたいのは、すでにある業務プロセスを抜本的に見直したり、新しく生み出したりすることで現場が自分の仕事に専念できる環境を再構築することなんです。職種やロールがどうあれ、今後も現場がハッピーになるような取り組みを続けていきたいと思っています。
—— 最後にユーザベースに興味をお持ちの方へ、メッセージをお願いします。
ユーザベースは個人の意思を尊重してくれる会社です。やりたいことがハッキリしている人はもちろん、課題解決に意欲的な人など、その人なりの思いや情熱をお持ちの方にピッタリな会社だと思います。自分が何者なのか「旗を立て」振り続けていると、おのずと旗を振る人のもとに仕事が集まってくるのも、ユーザベースのよいところです。私が所属するIT部門コーポレート部門には、エンジニア以外にもさまざまな仕事、さまざまな役割があり、キャリアの歩み方も人それぞれです。ユーザベースは自由度が高く、型にはまらず自分の思うようなキャリアを描きたい人にお勧めしたい会社です。