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もう逃げられない!誰もが機械学習を使いこなす時代に |Amazon re:MARS 基調講演

こちらの記事は以前にNewsPicks Tech Guideに投稿された記事をインポートしたものです。元の記事はid:jukuin2000によって書かれました。

Amazon re:MARS 3日目 Keynote

Amazon CTO からのアツいメッセージ"Now go build"

Amazon CTO Dr. Werner Vogels

Keynote の一発目は Amazon CTO の Dr. Werner Vogels 氏から。 彼、というか Amazon が Machine Learning について言いたいことは次の一言に尽きるようでした。

We're democratizing machine learning.
Democratize ML technologies to every developer.
Democratize ML technologies to the hands of every business.

とにかく、機械学習を誰でも使える環境は整えた。 これからは、すべてのエンジニア、すべてのビジネスマンが機械学習を使える。

そして、もう待ったなしで、冒頭の

Now go build

につながるわけです。もう、機械学習は、誰もが避けて通れないところまで来ています。

Andrew Ng

Andrew Ng

次に登壇したのは、Andrew Ng 先生。あの有名な Coursera の Machine Learning の講座にお世話になったかたもたくさんいらっしゃると思います。なんせ、世界中で250万人の方が受講していますからね。生の Ng 先生は講座の中と変わらず、力強いプレゼンをされていました。

AI をうまく活かすには Talent + Idea + Tools が必要

まず、AI を利用するために大事な3点を教えてくださいました。ここでいう、 Talent は機械学習のスキルで、例に Cousera の受講をあげていました。受講生は前述した通り、全世界中で250万人とのこと。また、Idea とは機械学習の利用手段、例えばアルゴリズムなどを指しています。毎日100以上のペースで新しい活用法(アルゴリズムを含む)が発表されているのでこちらも十分とのこと。最後は、Tools です。これも TensorFlow, PyTorch, mxnet などを例に挙げ、すでに揃っていると仰っていました。つまり、 Now go build ですね。

1 day sprints

他にも印象に残ったことをたくさんお話してくださったのですが、最後にもっとも印象に残ったのがこちら。機械学習における agile development では、sprint が2週間は長すぎる。1 day だ!毎日新しいアイデアを加えて、実行に移し、毎日振り返って、また次の日を迎える。その速度感でやるんだ!と。

zoox ceo

Aicha Evans

3番目は zoox の CEO の Aicha Evans さん。zoox はカリフォルニア州で始めて「客輸送を目的とした自動運転の実証実験参加許可」を取ったスタートアップです。

  • 私たちは年間4000億時間運転をしている
  • 一方で、自分が所有している車は、自分の生きている時間の4%しか運転していない
  • 交通渋滞の1/3は駐車場を探しているのが原因
  • 年間140万人、つまり毎日3000人以上の人が交通事故で命を落としている。しかも原因の90%が人為的ミス

自動運転 + シェア(同社の自動タクシーを指す?)でこのほとんどを解決できるというお話。自動車の 4% しか稼働していないのを、60% 以上にすることが同社のミッションだそうです。

ベゾス氏登場!

上記の後、2つほど講演がありました。1つが、製薬のボラティリティの高さを、AI で解決するという話。製薬は200億円かけて5年研究して、95% が白紙になる世界だそうです。残りの 5% のあたりでそれら以上の利益がでると。ところが ボラティリティが高すぎて、投資家もこういうモデルには投資しにくくスタートアップの参入が難しくなっているそうです。これを AI により確率を高めることで、ボラティリティを小さくして、活性化させて、よりよい薬がより早く発見されるようにするという話です。先程の自動運転の話もそうですが、AI により社会問題を解決する話が多かったです。

もう一つは「モノをつかむロボット」の話。単に掴むといっても、いろいろな形状のものをすばやく確実につかむというのはとても大変な技術であるという話です。いまでは、人間と同等か、それ以上に早くものをつかめるということです。

そして、今日の Keynote のハイライトはなんといっても Jeff Bezos 氏の登場です。

Jeff Bezos

前から2番めの列でスタンバっていたのですが、それでもやや遠かったです。 対談形式だったので、印象に残っているやり取りを抜粋してみました。

Jenny Freshwater: Dreamer と Builder について教えてください。 Jeff Bezos

常に Dreamer が先にいて、Builder はその影響を受ける。
そして、Builder が基礎をつくり、それにたった Dreamer がさらにその先を夢見る。

うちのビジネスサイドとエンジニアの関係に似ているような気もしますが、うちの場合、エンジニアも夢を見始めて、みんなで考えてものづくりをしますから少し違いますかね。ただ、夢想家は重要だというのはわかります。

Jenny Freshwater: もし Amazon がうまくいっていなかったらどうしていたと思いますか? Jeff Bezos

おそらく、めちゃくちゃ幸せなソフトウェアエンジニアになっていたんじゃないかなw

Jenny Freshwater: アイデアを進めるのに苦労したことはありますか? Jeff Bezos

Amazon の leadership principal の中に「反対してコミットする」というのがあります。みなが高い情熱を持っているということは、それぞれに大事にしている考えがあるということで、それは同意を作るものではないから。なので、常に「反対してコミット」してきました。

※ disagree and commit がうまく訳せませんでした

Jenny Freshwater: ここの水晶玉があって、10年先を見通せるとしたら何が見えますか? Jeff Bezos

専門分野以外でいえば、バイオテクノロジーの進化

Jenny Freshwater: うまくいかないことがあったらどう対処しますか? Jeff Bezos

When do you know when to stop? When the last champion is ready to throw in the towel, it's time to stop.

かっこいいこといってたのでそのまま載せます。

最後の対話が一番印象に残りました。 Jenny Freshwater: ビジネスを始める人にアドバイスを頂けますか? Jeff Bezos

顧客を喜ばせること(熱狂させること)。満足させるだけではダメ。
情熱を持つこと。競合してくる相手というのも必ず情熱を持ってやってくる。
リスクをとること。リスクをとらないビジネスアイデアはすでに誰かがやっていることしかない。

NewsPicks というか UZABASE グループ全体の考え方とも似ていて、非常に共感できました。ひとつめの顧客を熱狂させるというのは、当社でいう「顧客の根源的価値を追求する」ということでもあるし、ビジネスの成功のためにはとにかく情熱を持つというのは、CEO を始め全員が理解しているところです。そしてリスク。本当にそうですね。リスクを取らずに成功するなんてことはありません。

明日でこのカンファレンスが終わってしまうと思うとさびしいですが、海外カンファレンスは本当にいいもので、知見を得るだけでなく、問答無用にモチベーションをあげてきます。11月の re:Invent も行きたい!

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