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自己組織化を少しだけわかりやすく説明してみる

こんにちは。 Product Team の相川です。 現在はProduct TeamでINITIALというプロダクトの開発をしております。

何回かに渡ってアジャイルについてブログを発信していこうと思い、ブログを書き始めました。

前回までユーザーストーリーについて書かせてもらいましたが、今回は自己組織化について考えていることについてお話します。

tech.uzabase.com

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自己組織化とは

アジャイル開発をやっている方であれば一度は耳にしたことがあると思う 自己組織化 というワードについて。

wikipediaではこんな説明がされていました。

自己組織化(じこそしきか、英: self-organization)とは、
物質や個体が、系全体を俯瞰する能力を持たないのに関わらず、
個々の自律的な振る舞いの結果として、秩序を持つ大きな構造を作り出す現象のことである。 
自発的秩序形成とも言う。

自己組織化 - Wikipedia

私は、初めて聞いた時に「???」という印象を受けましたが、要は組織などにおいては各個人が自律的な振る舞いをすることで、全体としての秩序が作られるということなのかな?という理解をしました。(多分、こんなざっくりとした説明だと足りてない感はあります)

で、今回話したいことは、自己組織化について、ではなくて、自己組織化の形成プロセスについて着眼してみようと思ってます。

自己組織化はいかにして実現されるのか

少し古い本ではあるのですが、アリスター・コーバーン氏による アジャイルソフトウェア開発 という本の中でわかりやすい説明がなされていたので、参考にさせてもらいつつ説明していこうと思います。

自己組織化とは

改めての話になりますが、この本においては 自己組織化 というものを「人がコミュニティ内でイニシアティブをとる」という文脈で使われています。(厳密にはDee Hockが発言したものを引用している)

「イニシアティブ」というのは「主導権、率先して物事をある方向へと導く力」といった意味なので、あるコミュニティ内で、主導権をとる状態になれていれば、自己組織化が実現されているのだろうとこの時点では理解が出来ます。

では、イニシアティブをとれるようになるには何が必要なのでしょうか?

イニシアティブをとる

イニシアティブをとれるようになるヒントとして、以下の一文があります。

仕事へのプライドと帰属意識から開始して、巡回が得意なことと、自発的に動くことを追加する。
これらによって人は毎日の仕事を終わらせられるようにイニシアティブをとり、
プロジェクトを最高の状態で動かし続ける日常的なアクティビティを行っている。

この これらによって 、以前の部分に注目したく、そこでは4つの項目があげられています。

  • 仕事へのプライド

  • 帰属意識

  • 巡回が得意なこと

  • 自発的に動くこと

ここからは、この4つの関係性について考えてみたいと思います。

仕事へのプライド

仕事へのプライドとは、 自分の仕事に対してプライド持てている状態 のことを指して使われています。

たとえば、「リリースを急ぐあまりにその場凌ぎ的なプログラムを書いてしまっていて、後ろめたい気持ちがあるとき」、「テストは後回しにしてしまう」とかは正に真逆な状態にありますよね。その結果、仕事が楽しくなくなってしまう、モチベーションが下がる、といったネガティブな結果につながっていきます。

また、他のプライドとして、貢献へのプライドも挙げられている

貢献へのプライド

貢献へのプライドというのは コミュニティへの貢献というプライドを指しています。

たとえば、複雑な問題を特定の人しか理解できないような解決策で解決することよりも、誰もが理解できるようなシンプルな解決策で解決した方が、そのコミュニティに対する貢献は大きいと考えられます。そういった価値判断で考えると、コミュニティに貢献してる実感も湧き、モチベーションに繋がると考えられます。そして、貢献してる実感こそ、帰属意識に繋がるのだと考えます。

巡回が得意なこと

巡回 とはなんのことを指すのでしょう。

ここでいう巡回とは、目的のものを探す能力に近いのかなという印象を受けました。

例えば、何かドキュメントを探す時、どのように探すか?該当しそうなファイルを片っ端から開けていく、よりかは、何か該当のディレクトリに対してソートしたり、ヒットしそうな検索ワードで引っ掛けたり、これについて知ってそうな人を思い出して聞いてみる、といった工夫をすると思います。その上手さを、ここでは 巡回という言葉を使用して説明しています。

この 巡回 を使う例として挙げられるのが、コードを保守する作業です。

一般的に、コードと仕様書が乖離していくというのはよくあることだと思いますが、乖離した仕様書を参考にしつつも、目的のコードに近づいていき、あとは実際に動いてるコードを読み解きながらゴールにたどり着くという、この一連の流れの上手さが巡回する能力を評価できるポイントだと思います。

他にも、何か障害に直面した時に、運用手順書に頼りっきりになるのではなく、同じようなアラートログをSlackで検索してみて、その時対応した人に聞いてみるなど、根本的な解決力がなくても解決まで導く手段をとっさに考えられるかいうのが、この能力の言いたいところなのかなと思います。

この能力に長けていると、巡回してる中で何か異常なことが起こっていることに気づくのが早くなりますし。そして、そこに気づいた場合に、それを処理すべき人に連携したり、自分の職責を超えて自分で解決するということができるようになります。

その結果、強い自発的なモチベーションに繋がるということが言えそうです。

自発的に動くこと

これは今までの項目と関連するのですが、コミュニティへの貢献のプライドや巡回が得意なことによって、自然と自発的に動けるようになるのかなと思います。

その結果として、組織に置いてイニシアティブをとる状態になっており、自己組織化が実現するのかと思います。

要するに

長々と書いてしまったのですが、私の中での自己組織化の形成プロセスへの理解は以下のとおりです。

この一連の流れを繰り返すことで、自己組織化が実現され続けるのかなと思います。

改めて最初にお話したイニシアティブの一文に戻ってみたいと思います。

仕事へのプライドと帰属意識から開始して、巡回が得意なことと、自発的に動くことを追加する。
これらによって人は毎日の仕事を終わらせられるようにイニシアティブをとり、
プロジェクトを最高の状態で動かし続ける日常的なアクティビティを行っている。

こう見返すと、今ならこの一文も理解できる気がします。

まとめ

自己組織化について色々と書いてみましたが、いくつか重要な要素があることがわかりました。

また、これらを通じてモチベーションを高めていくこと・高い状態で維持することこそが、自己組織化に繋がるのだと思いました。

おわりに

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