#07 佐藤 一徹|IT PROFESSIONALS

ユーザベースが手がけるさまざまなサービスの背後には、これらを支えるプロフェッショナルたちの存在があります。そんな彼、彼女たちはどのような思いでユーザベースに加わり、日々の業務にあたっているのでしょうか。このシリーズではユーザベースのコーポレートITと情報セキュリティ組織で働くエンジニアたちに焦点を当て、外からは窺い知れない仕事の舞台裏をご紹介します。今回登場するのは、スピーダ エキスパートサーチの開発に携わる佐藤一徹です。

IT PROFESSIONALS #07 佐藤一徹 NewsPicksに集う知見を、スピーダの新たな提供価値に。若手エンジニアがつかんだ事業貢献の手応えと目指すべき理想のエンジニア像

ユーザベースが手がけるさまざまなサービスの背後には、これらを支えるプロフェッショナルたちの存在があります。そんな彼、彼女たちはどのような思いでユーザベースに加わり、日々の業務にあたっているのでしょうか。このシリーズではユーザベースのコーポレートITと情報セキュリティ組織で働くエンジニアたちに焦点を当て、外からは窺い知れない仕事の舞台裏をご紹介します。今回登場するのは、スピーダ エキスパートサーチの開発に携わる佐藤一徹です。

PROFILE

佐藤一徹

株式会社ユーザベース
Product Engineering Division
Expert Product Team
Software Engineer

佐藤 一徹

2023年北海道大学工学部に在学中、起業家やエンジニアを養成するためのスクールに通う。受講後、大学卒業まで受講者にプログラミングを教えるチューターを務め、ソフトウェア開発技術を磨く。卒業後、アルファドライブ(元ユーザベースグループ)に新卒入社。新規事業の立ち上げ支援サービスの開発に携わる。2024年2月、アルファドライブがユーザベースグループから独立するのを機にユーザベースに転籍。現在はExpert Product Teamに所属のSoftware Engineerとして、経済情報プラットフォーム「スピーダ」の主力製品のひとつである「スピーダ エキスパートサーチ」の開発に従事している。

# 私が貫く仕事の流儀

開発するプロダクトが大きく複雑になればなるほど、チーム間連携やコミュニケーションの頻度も密度も高まります。その結果、タスクが宙に浮いたまま放置されたり、決定事項がうやむやになってしまったりしては元も子もありません。こうした状況にならないため、大切な情報の「揮発」を防ぐ仕組みづくりなど、率先してチーム全体のパフォーマンス向上につながる取り組みを心がけています。

起業や新規事業への関心を深め、ユーザベースグループへ

—— 佐藤さんはどんなお仕事をされているんですか?

企業情報や業界データなどの経済情報を提供する「スピーダ」の製品のひとつである「スピーダ エキスパートサーチ」の開発を担当しています。スピーダ エキスパートサーチとは、クライアント企業が有識者やビジネスパーソンに質問したり、インタビューを申し込んだりするためのサービスで、私は企業からの依頼を請ける側のエキスパートのみなさんが利用するマイページと、企業とエキスパートをマッチングしたりアプローチするための社内管理ツール「MM2」の機能開発に取り組んでいます。

—— 佐藤さんはいつからこの仕事に?

2024年2月にアルファドライブがユーザベースグループから独立するにあたって、プロダクト開発部門ごとユーザベースに転籍になりました。法人向けSaaS事業の「スピーダ」への統合やエンジニア組織の再編などいくつかの変遷を経て、いまはコーポレートIT部門のなかで、プロダクト開発にあたっています。転籍前の職場では、主に法人向けに新規事業の起案や承認を支援するサービスの開発に携わっていました。

—— なるほど。そういう経緯があったんですね。ところで佐藤さんはどんな学生時代を過ごされたんですか?

大学時代は工学部でレーザーを用いた量子物理学を研究していました。研究は研究で楽しかったのですが、その一方で、とある起業家の方との出会いをきっかけに、2年生から起業家やエンジニアを養成するスクールに通いはじめたんです。このスクールの受講生として半年間過ごした後も、引き続きスクールに残って受講生にプログラミングを教えるチューター役を務めたのですが、この間、モノづくりの楽しさとアイデアを形にする面白さに惹かれ、ソフトウェアエンジニアになろうと思いました。

佐藤一徹

—— エンジニアになるにしても、いろいろな選択肢があったと思います。なぜユーザベースグループに入ろうと思われたんですか?

当時からメディアを通してユーザベースの名前は知っており、NewsPicksを利用していたこともあったので、ぜひ応募しようと思ったのですが、残念なことに当時、ユーザベースグループは新卒採用をしていなかったんです。もちろんウェブサイトには中途採用枠の募集しかありません。でも、どうしても諦めきれなかったので、ダメ元で応募してみたところ特別に面接の機会をいただけました。ラッキーでしたね。

—— それはよかったですね。面接を受けてみてどうでした?入社の決め手を聞かせてください。

新規事業支援というスピーダの事業目的もさることながら、面接で会社の雰囲気や人柄、働き方がイメージできたのが大きかったですね。面接やカジュアルランチを通して、エンジニアとビジネスサイドの方それぞれ3名以上とお話ししましたが、どなたも入社後に仕事を通じて直接関わる方々で、かつ個性的で尊敬できる方ばかりでした。インターンで活躍の機会をいただけたのも良かったと思います。

NewsPicksユーザー1000万人を案件マッチングの対象に

—— ユーザベースに転籍されてからのお話を聞かせてください。これまでどんなことにチャレンジしましたか?

「チャレンジ」というキーワードで真っ先に思いつくのが、2024年10月から12月にかけて取り組んだプロジェクトですね。簡単にいうと、約4万人を擁する既存のエキスパートに加え、NewsPicksユーザーの方も案件マッチングの対象に加えようという取り組みになります。技術的にもビジネス的にも極めて大きな挑戦でしたし、私自身にとっても有意義な経験でした。

—— 具体的な取り組み内容を教えてください。

プロジェクトは2段階で進行することになりました。まず第1段階として、エキスパートのリクルーティングチームが使っていたKintone製のツールを改修し、NewsPicksの1000万人の中からプロフィール登録ユーザーを検索できるようにします。次の第2段階では、先ほどお話しした社内管理ツールのMM2を用いて、既存のエキスパートとNewsPicksの専門家候補が横断的に検索できるようにするのが、プロジェクト全体の流れです。

—— プロジェクトを進めるにあたって、どんな苦労がありましたか?

細かいところですと、これまで扱ったことのない1000万人分ものデータを扱うので、データ連携時のメモリや実行時間にまつわるエラーへの対処や、KintoneやExcelなどの外部ツールのキャパシティを考慮した設計が求められました。また、技術的な難しさ以前にも、NewsPicksの開発ルールやデプロイフローの全体像を把握するのが大変で、ドキュメント読むだけでは足りず、何度もコミュニケーションを重ねたのも印象に残っています。そういえば、私たちの組織ができた背景や役割が全社に浸透しきる前だったので、NewsPicksのエンジニアから「君たちはなんでNewsPicksのコードを触ってるの?」と、聞かれたこともありましたね(笑)

—— なるほど。いくつもの困難を乗り越えたプロジェクトの成果はいかがでした?

この横断検索機能は、当初1年がかりで完成すると見積っていたのですが、実際には6カ月ほど前倒しし、2025年6月に現場で利用できるMVPをリリースできました。見込みより早くリリースできたのは、プロダクトマネジャーと協力しながら随時計画を見直し、本当に必要な機能開発と環境整備に集中したからです。NewsPicksユーザーの方をエキスパートサーチの対象に加えるのは、経営にとっても、スピーダ事業にとっても積年の課題と聞いていたので、無事リリースできたときは嬉しかったですね。社内でも重要戦略にも位置づけられる横断検索プロジェクトに携われて、本当にいい経験ができたと思っています。

佐藤一徹

開発を停滞させない
情報環境づくりにも注力

—— 佐藤さんは転籍を経験されています。働き方に違いはありますか?

転籍後は、スピーダやNewsPicks事業をより身近に感じるようになりました。開発スタイルはスピーダの文化を一部参考にして、Gatherを常時オンにしておき、いつでも話しかけたりペア作業ができたりする環境にしています。私たちのチームには、地方に住んでいるメンバーも多いのですが、心理的にも地理的にも、距離を感じず働けるのはいいですね。また、担当CTOの承認があれば新しいツールやサービスも積極的に試せるので、そういう意味でも働きやすさを感じます。

佐藤一徹

—— 佐藤さんが大切にしている仕事の流儀やこだわりを教えてください。

常にチーム全体のパフォーマンス向上を念頭に置いて動くことを大切にしています。最近、繁忙期でも常に適切な判断ができるような情報環境を整えることに取り組みました。

佐藤一徹

—— どんな内容の取り組みだったのでしょう?

私たちExpert Product Teamは、NewsPicksのプロダクト開発チームや案件管理や支払管理を担当するSalesforceチームなど、スピーダ以外の開発チームとも頻繁に連絡を取り合いますし、コミュニケーションの内容も多岐にわたります。そのため重要な情報が「揮発」してしまい、確認のために無駄な時間を費やしてしまうことがあったので、Slackやミーティングでのやり取りや決定事項をNotionに集約し、いつでも検索可能な状態で蓄積するようにしました。単なる議事録ではなく、関連する情報同士をリンクで結び、文脈を保持したまま情報を整理しているので、今後、新しいメンバーが入ったときのオンボーディングなどにも活かせたらいいなと思っています。

「自由と責任」が育む、
広い視野を持つエンジニア

—— 入社3年目を迎えました。改めてユーザベースのエンジニア文化についてどのように感じていますか?

エンジニアは単なる実装者ではなく、プロダクトの方向性を決める重要なステークホルダーの一員だと感じるようになりました。これはExpert Product Teamに限らず、ユーザベースのエンジニア全般にいえることですが、チーム全体で最適解を追求する文化が根付いているんです。「なぜこの機能が必要なのか?」「もっと効率的な実装方法はないのか?」といった疑問を遠慮なく口にできますし、問題提起もできるので、モヤモヤを抱えたまま開発にあたるようなストレスがありません。直属の上司や経営陣も新しい方針を示す際には丁寧に説明を加えてくれますし、仮に疑問があっても質問すれば率直に答えてくれます。エンジニアにとって、とてもいい環境だと思いますね。

—— 当面の目標は?

最近、開発におけるリード役を任される機会が増えてきたため、まずはみなさんの期待に応えることが当面の目標です。入社したばかりのころと比べると、目の前の課題を率先して拾えるようになってきたとは思いますが、まだまだ拾いきれていない課題はたくさんあります。技術面についてはもちろんですが、これからも引き続きチーム全体の効率化や働きやすさに関しても、前向きな成果を残したいですね。

—— 佐藤さんが目指す理想のエンジニア像を教えてください。

なりたいエンジニア像をひと言で表すなら、周囲のみなさんから「佐藤なら雑に仕事を投げられてもうまくやってくれる」と思っていただけるエンジニアですね。そのためにも、食わず嫌いをせず仕事に取り組み、技術力と事業理解を深めていかなければと思っています。

—— エンジニアとして守備範囲を広げたいんですね。

そうですね。高校時代には陸上の八種競技、大学時代はトライアスロンに打ち込んでいたので、もともといろいろなことに挑戦したいタイプなんです。ですから幅広いスキルを身につけて、どんな課題にも対処できるエンジニアになりたいと思っています。

—— では最後に、ユーザベースに興味があるエンジニアのみなさんへメッセージをお願いできますか?

担当するプロダクトにより、開発スタイル、仕事へのアプローチ、必要となる技術スタックは多岐にわたりますが、共通しているのは「自由と責任」を重んじる文化です。また、働く場所や時間、開発手法に至るまで、エンジニア自身に多くの裁量が与えられる一方で、チームや事業にどれだけ貢献したかが問われる環境でもあります。私が一緒に働きたいのはこうした環境を活かして自分の可能性を広げたい方です。ユーザベースは、さまざまなタイプのエンジニアが活躍できる会社なので、もし仕事に真摯に向き合いたい気持ちが強いなら、ぜひ臆することなく挑戦してほしいと思っています。

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