こんにちは。 Product Team の相川です。 現在はProduct TeamでINITIALというプロダクトの開発をしております。
昨年の5月頃から、チーム作りに関わる機会があったので、チームの立ち上げからどんなことをやっていたのか、ふりかえりと共にお伝えしていきたいと思います。
経験者と話す
弊社にはフェローという役職のエンジニアが在籍してます。
フェローというのは、突出した技術力で開発チームを引っ張ってくれる人たちという位置づけなのですが、数多くのプロジェクトを経験してることから、技術に閉じないことも日頃から相談しています。
私の場合は、フェローの1人である板倉さんと定期的に1on1を実施してもらい、チーム作りをする前に 「チーム作りの心得」や「チームビルディングのプラクティス」 を教えてもらい、チーム作りを始めてからは 「チーム作りで悩んでることの相談」 などを行ってました。
いま振り返ってみると、この1on1が自分の考えを整理する場になっていたし、細かく振り返りをするきっかけになっていたので、継続的にやってよかったと思いますし、付き合ってくださった板倉さんには改めて感謝をお伝えしたいと思いました。
ですので、「これからチーム作りをしていくぞ!」という方は、まず身近に相談できる相手を見つけておくと良いかなと思います。
作りたいチームをみんなですり合わせる
自分の理想像を明確にする
まず、自分がチームを作ろうとしたときに、「自分がどんなチームを作りたいのか?」「自分はどんなチームで働きたいのか?」 を明確にする必要性がありました。
そこで、過去在籍していたチームやプロジェクトをふりかえり、そのプロジェクトで何が良かったのか・何が伸びしろだと感じていたのか?を洗い出し、自分がチームに対して求めているもの・大切にしたいものを言語化しました。
他の人の理想像を知る
チームを作る上で、一方的に誰かが 「自分はこういうチームを作りたい」 というのは良くないなと思っています。
というのも、チームはチームに関わる全員で作るものであって、トップダウン的に決めてしまうと、その決めた人以外がそのチームに対して、自発的なオーナシップであったりリーダーシップを持ちにくくなると思っているからです。
なので、 どういうチームで働きたいと思ってるのか , 働く上で大事にしている価値観 をお互いに知ることで、ボトムアップ的にどういうチームにしたいか理想像を描くようにしました。
実際に、上記の感じでみんなで付箋を出し合い、お互いに譲れないポイントを知ることができ、大きな方向性のズレもなく動き出すことができました。
お互いを知る
チームとして動いていくに当たって、まずお互いがどういう人なのかを知る機会を設けました。
チームビルディングのアクティビティはいくつかありますが、僕たちはドラッガー風エクササイズを短くしたものを利用して 強み、弱み、価値観 の3つを知り、お互いにチームとして補い合って動いていこうという意識付けをしました。
このプラクティスをやったことで、自己開示をするハードルを下げられたかなという感覚がありました。
また、業務では、得意なことを任せて自信を持ってもらえた、苦手なことに直面したときにフォローしてもらえた、お互いの価値観を念頭に行動することができた、などポジティブな影響があったと思います。
インセプションデッキを作る
チームとして、動いていくためには目的・目標を共有し合うことが大切だとされています。
具体的には、「何故、私たちはここにいるのか?」「誰に価値を届けるのか」といったことが共有できてないと、チームとして動く際に価値判断がズレがちです。
そのためには、私たちはインセプションデッキというのを全員で作りました。
インセプションデッキというのは、検索してもらえばでてくると思うのですが、以下のものを明確にするフレームワークです。
我々はなぜここにいるのか
エレベーターピッチ
トレードオフスライダー
やらないことリスト
「ご近所さん」を探せ
インセプションデッキを作ったことで、価値を届けたいユーザーの理解度があがりましたし、プロジェクトを進めていく中での景色のズレがあまり起こらなかったかなと思います。
※Product Teamでは、ほとんどのプロジェクトでセールスメンバーや関係者を集めて、このインセプションデッキを作って景色共有をしています。なので、特別にやったことではなく、今までのプロジェクトでやってたことを踏襲した感じです。
1on1を行う
チームとして動き出す準備はしたので、あとはアジャイル的なプラクティスに則って、ストーリーだしであったり見積もりをして、イテレーションを回していくということをやったのですが、今回は話が長くなるので、上記については割愛します。
チームとして動き出した後については、隔週で1on1を実施しました。
意図としては、お互いの景色交換が主だったのですが、自分の目に映っている相手の行動に対する感謝を伝えたり、伸びしろに感じていることを伝えたり、私に対するFBをもらったりなど、様々な会話をしました。そうすることで、相手の成長や変化に早く気づくことができたと思っています。
勉強会を行う
チームとして動いていく中で、アジャイルへの理解度のギャップにより、チームが上手くワークしないことがありました。
なので、まとまった時間をとって、チームとしてアジャイルへの理解を深めていこうと考えました。
そこで、まず、ペアプロの心得の読み合わせを行いました。
新しいメンバーが入る度に心得を読み直したので、結果として2021年だけで10回は読んだ記憶があります。
ただ、毎回違った点で気づきがあったり、自分のペアプロに対する伸びしろに気づきを得られるので、全員で読み合わせを行うことは意味があると思いますし、ペアプロが上手くできていると思ってる人にこそ定期的に読み直してほしいと思いました。
その後は、アートオブアジャイルデベロップメントの輪読会を行いました。
時代背景が多少違う部分もありますが、XPの入門としてはこの本が良いと個人的には思っています。
この本を全員で読み、プラクティスの意義を知るだけでなく、今の自分たちのやり方について伸びしろを考える時間を週に2-3回程度取っていました。
結果として、日頃アジャイルのプラクティスを伝えていく中で、伝えきれていなかった部分への各々の理解が深まっていき、新しいメンバーが次の新しいメンバーにアジャイルを説明するという良い循環が起こっていました。
定期的なふりかえり
個人的にふりかえる
アジャイルチームをつくるためには、自分自身がアジャイルを体現し続ける必要があると思っています。(チームも同様だと思っています)
そのためには、 早くフィードバックサイクルを回す ・ 改善し続ける ことが重要だと思っています。
なので、定期的な1on1もそうですが、個人的にふりかえりを細かく設定し、より良くしていくためには何ができるかを模索し続けました。
チームとしてふりかえりをする
プロダクトチームでは、アジャイルでいうイテレーションを1週間で設定し、イテレーションのレトロスペクティブ(ふりかえり)を必ず行っています。
そのレトロスペクティブを通して、チームとして自分たちの伸びしろは何があるだろうか、を考え、次のイテレーションで改善していくというサイクルを回し続けました。
今振り返ってみると、「個人としての振り返り」と「チームとしての振り返り」は両方重要だと思っていて、前者だけだと、個人的にモヤモヤが溜まっていく一方なので、そのモヤモヤをチームの課題として認識して、チームとして改善していくことこそ、チームビルディングなのかなと思っています。
※もちろん、個人のふりかえりは個人に閉じた話の伸びしろも出てくると思うので、そういったものは個人として向き合うことも重要だと思っています。
チームビルディングの感想
初めて、ゼロからチームビルディングをやってみて、何しろ大変だと思ったのが素直な感想です。
最初の1-2ヶ月は雲を掴むような感覚で、何をやったらいいのかわからないし、やっていることがこれで良いのかよくわからなくて、逃げ出したくなる瞬間もありました。
ですが、このチームで初めて1つのリリースを出来た瞬間はめちゃめちゃテンションが上がりましたし、大変だったけど挑戦してみて良かったと改めて思います。
おわりに
BtoB SaaS Productを主に扱うプロダクトチームでは、XPの価値を重視していて、今回は私の挑戦に関わるものを紹介させてもらったのですが、他にも様々な挑戦をしているメンバーがいます。
ぜひ、話を聞いてみたいなど・興味を持っていただいた方はエントリーをお待ちしております。